ISONAGA AKIKO
ひとりごと/スランプ
更新日:2020年2月4日

昨日、とある打ち合わせのあと、ご一緒させていただいたコピーライターさんたちとコーヒーを飲みながら雑談していたときに「コピーライターって性根が悪いとできない」という話になりました。
そういっているご本人が、「昔は自分も性根が悪かったのだけど(自称)、コピーライターという仕事に出会って、相手の立場になって考えるという訓練を積むことができて、少しはまともな人間になれた気がする」のだそうです。
いいコピーを作るにはその商品のこと、そしてその商品を使う人のことをとことん考えないといけない。だから、そもそも自分のことしか考えられない、他人のことを思いやれない人は、いいコピーを作ることはできないというのがその人の言い分でした。
聞いていてなるほど、と思いました。
もちろん天才的にコピーを作れる人というのはいるし、生まれ持ったセンスだとかもあるだろうけど、よくいう“切り口”とか“視点”とかっていうのは物事を俯瞰して見ることができないと生まれもの。もしかしたら天才といわれる人はそういう能力に長けた人のことなのかなあとも思ったり。
私はコピーライターではないけれど、文章を書くことを仕事にしています。 実は最近、ちょっとしたスランプに陥っていました。伝えたいことを的確に表現するための言葉一つひとつにすごく迷うというか、書いては「違うな」と書き直して「やっぱりこれも微妙」とまた書き直す。その繰り返しで一つの記事を書くのにとても時間がかかってしまうのです。
その原因は色々あると思うけど、やっぱり一番はカッコいいフレーズというか、ちょっと技ありな文章をを書きたいなってちょっと色気を出してしまってたこと。そんなことを考える時点で、いい文章が書けるわけありませんよね。
そのコピーライターさんが、「若い子は特にかっこいいコピーを書きたがるけど、そういうことを考える時点でそれはもう独りよがりで、いいコピーなんて作れないよね」というのを聴きながら、「ああ、そんなことわかってたつもりなのにやっちまってたなあ」と反省。しかも、もう、若くもないのに笑。
何でそんな「カッコいい」に取り憑かれていたのか自分でも謎ですが、ちょっと目が覚めた気がする。これでスランプ脱出できるかな。