年末年始はあんなに忙しかったのに、
年が明けたとたん、まるで凪のようにピタリと止まり、
静かな毎日だ。
そんなもんだからあてもなくフラッと散歩に出かけて、
不要不急の買い物を続けている。
今日もフラッと訪れた古本屋さんで目にとまった、
松浦弥太郎随筆集「くちぶえサンドウィッチ」を
つい、買ってしまった。
ものを選ぶとき、私はしばしば外見に惑わされる。 この本もそんな風に装丁に惹かれて買ってしまったのだけれど、奥付でこれは立花文穂さんの装丁とわかって、少し嬉しかった。
随筆集は「さあ、読むぞ」と構えなくても、気楽に読めるのがいいところだ。
パッと開いたページから気ままに読み進める、
そんないい加減な読み方がいいと思う。
その日、私が最初にパッと開いたページにあったのは
「毎日、何かを十年」というエッセイだった。
「とにかく、毎日(一生懸命でなくても)十年続けたらものになるんだ」
「毎日十年続ける」というストイックさと、
「一生懸命でなくても」といういい加減さ。
なるほど、どちらかだけじゃダメなんだな。
・・・
松浦弥太郎随筆集 くちぶえサンドイッチ/DAI-X出版 定価 1600円+税